皆さんは「VDT作業」という言葉を聞いたことがありますか?
VDTとは Visual Display Terminals(ビジュアル・ディスプレイ・ターミナル) の略で、簡単に言うと「パソコンやスマートフォン、タブレットなどの画面を見ながら行う作業」のことです。
私たちの生活の中では、仕事・学習・趣味など、さまざまな場面でVDT作業をしています。
しかし長時間続けてしまうと、目の疲れ・肩こり・腰痛・集中力の低下 など、心身に負担がかかることがあります。
症状
●身体的な症状
・目の症状:目の疲れ、痛み、視力低下、ドライアイ
・腰痛 ・首や肩のこり ・頭痛
・腕、手、指の疲れ・痛み など
●精神的な症状
・抑うつ状態 ・倦怠感 など
VDT作業で起こりやすい不調
厚生労働省ではVDT作業に関するガイドラインを出しており、健康被害として次のような症状があげられています。
●目の疲れ・痛み
パソコン作業中は、ディスプレイを凝視してしまっていることが多く、瞬きも少なくなってしまいます。
そのため、眼球が乾きやすくなり、傷つきやすい状態になってしまいます。
また、ディスプレイの人工光や反射光のために、眼精疲労が起こりやすくなります。
●首、肩のこり・痛み
キーボードを叩き続けたり、長時間、同じ姿勢をとっていると筋肉疲労が起こります。
また、血行が悪くなり、首から肩にかけてこりや痛みが生じやすくなります。
眼精疲労から、首や肩の不調が現れることもあります。
●腕、手、指の疲れ・痛み
首や肩のこりから、腕にも痛みが広がることがあります。「だるい」「しびれる」から激痛へと悪化
することもあります。
また、長時間のパソコン等の入力作業は手指に炎症をきたすことにもつながります。
●精神的な症状
疲れ目や肩こり等を放置しておくと、頭痛や睡眠障害、食欲不振、過食、生理不順、
不安感、抑うつ状態など様々なストレス症状を招くこともあります。
正しい姿勢と環境を整えよう

VDT作業の負担を減らすには、ちょっとした工夫が大切です。
厚生労働省は1時間(を超えない時間)おきに10~15分の「休憩(作業休止時間)」を取ることを推奨しています。ここでいう「休憩」とはVDT作業を休止することであり、一般的な休憩とは別物です。また、作業中に労働者が自分のタイミングで1~2分程度の小休止を1~2回ほど取るよう企業が指導するよう求めています。
この「休憩」を取るタイミングはこれ以上連続で作業をし続けるとミスが増えたり目の働きが下がったりするという研究結果をもとに決められたので、効率的に業務を行う上で最も最適であると言えるでしょう。
(1) 作業時間等
イ 一日の作業時間
情報機器作業が過度に長時間にわたり行われることのないように指導すること。
ロ 一連続作業時間及び作業休止時間
一連続作業時間が1時間を超えないようにし、次の連続作業までの間に10分~15分の作業休止時間を設け、かつ、一連続作業時間内において1回~2回程度の小休止を設けるよう指導すること。
ハ 業務量への配慮
作業者の疲労の蓄積を防止するため、個々の作業者の特性を十分に配慮した無理のない適度な業務量となるよう配慮すること。
(イ) 作業休止時間は、ディスプレイ画面の注視、キー操作又は一定の姿勢を長時間持続することによって生じる眼、頸、肩、腰背部、上肢等への負担による疲労を防止することを目的とするものである。連続作業後、一旦情報機器作業を中止し、リラックスして遠くの景色を眺めたり、眼を閉じたり、身体の各部のストレッチなどの運動を行ったり、他の業務を行ったりするための時間であり、いわゆる休憩時間ではない。
一連続作業時間の目安として1時間としているのは、パソコン作業がおおよそ1時間以上連続した場合には誤入力の頻度が増すことやフリッカー値が低下する(フリッカー値とは光の点滅頻度のことで、この値の低下は覚醒水準の低下に起因する視覚機能の低下を反映していると考えられる。)、すなわち大脳の疲労と関連する指標値に変化が見られたという研究結果に基づいている。
(ロ) 小休止とは、一連続作業時間の途中で取る1分~2分程度の作業休止のことである。時間を定めないで、作業者が自由に取れるようにすること。
「VDT作業休憩法」を取り入れよう
VDT 作業者が心身の負担が少なく作業を行うことができるよう、下記のような作業時間や休憩時間
が勧められています。
1日の作業時間 → 他の作業を組み込むこと又は他の作業とのローテーションを実施することなどにより、1日の連続 VDT 作業時間が短くなるように配慮すること
一連続作業時間 → 1時間を超えないようにすること
作業休止時間 → 連続作業と連続作業の間の 10~15 分の作業休止時間を設けること
小休止 → 一連続作業時間内において1~2回程度の小休止を設けること